- セントポーリア
- 福田克彦さん
部屋の中で育てる自分色「セントポーリア」
①室内で心地よく、すくすくと
四方に広げた葉の真ん中に、小さくかわいらしい花を咲かせるセントポーリア。手で持てるほどのサイズ感と、室内での育てやすさが人気で、「室内鉢花の女王」ともいわれます。日本では1970年代から80年代にブームにもなりました。
熱帯アフリカ東部の山岳地帯が原産で、和名は「アフリカスミレ」。その名の通り、淡い青紫色の美しさが印象的ですが、今ではさまざまな色や形、大きさの品種があります。
本巣市にあるロイヤルグリーンでは、1984年からセントポーリアの栽培を開始。設立メンバーである父から2022年に代表理事を継いだ福田克彦さんは、両親やスタッフと力を合わせ、約1000坪の面積で、年間8万~10万鉢を育てます。
「この花は、心地よく感じる環境が人と同じ。生活に密着できる花です。おうちで楽しむ花といったらセントポーリア、と、パッと名前が出てくるような存在になってくれたらうれしいですね」と話す福田さん。セントポーリアの生産量は、今も全国トップクラスです。
②花が解き放つ豊かな個性
ロイヤルグリーンのハウスの中は、色や形の異なる約50種のセントポーリアがずらり。一重咲きや八重咲き、フリルのついた花びら。2色、3色を組み合わせて、個性豊かな模様を彩る花たちも。葉に目を移せば、シャープな葉から丸みを帯びた葉、斑(ふ)入りの葉まで。
世界を見渡せば数万ともいわれる品種数の多さの理由は、親株と違う色や花形、葉形になる「突然変異」が起きやすいことだそう。
「もともとはえんじ色だったのに、ほとんど白になったり。花びらのふちが緑色になったものもありますね」。
イベントに出展すると、珍しい種類を手に取るお客さんが多かったそう。福田さんはこうした需要に応えるべく、さまざまな交配を試したり、変わった品種をSNSやインターネット販売サイトを通して紹介、販売をしたりも行っています。
「でもやっぱり実物を見た方が、色や模様の微妙な違いがわかります。1つ1つ手にとって、これだと思うお気に入りをみつけてほしい。探し出すとハマっちゃう方も結構いるんですよ」。
③ゆっくり成長を見守って
セントポーリアの生育に適しているのは、レースカーテン越しに届くやわらかな光。暑さ寒さに弱いため、直射日光は当てないようにします。空気のめぐりを良くして、蒸れを防ぐことも大切です。
水は室温になるよう、前日から汲み置きしておくと良いとのこと。花や葉に直接かけると傷んでしまうので、葉を軽く持ちあげて土にかけます。
開花は基本、春と秋。環境や種類によっては、1年中花をつけてくれることもあります。 「1度花が終わった後、なかなか咲かない…と落ち込んでしまう人もいますが、特に暑い夏、寒い冬は、成長がゆっくりになります。夜温が15度くらいになると動き出すので、気長に待っていてくださいね」とのこと。
花言葉は「小さな愛」。巡り合えた唯一無二の株に、小さな愛の花があふれるように咲きほこるその日まで、焦らずやさしく、見守りましょう。
ロイヤルグリーン
https://royalgreen.or.jp/
本巣市上真桑170
TEL. 058-324-0631