ぎふ花と緑

ハンギングバスケット

空中に広がる華やかな色

 寄せ植えを吊るしたり、壁に掛けたりして花を楽しむ「ハンギングバスケット」。私たちの日常を彩るその華やかな色合いに、誰もが一度は目を向けたことがあるのではないでしょうか。今回は日本ハンギングバスケット協会岐阜支部長の下野利枝さんに、そんなハンギングバスケットを作るコツや管理のポイント、魅力などについてお話を伺いました。

━ハンギングバスケットとはどんなものなのでしょうか?

 「吊るす」という意味を持つ「hang」が付いているように、いろんなお花が入った寄せ植えを壁に掛けたり、吊るしたりして楽しむ空間装飾の一つです。基本的には、鉢に切れ込み(スリット)が入った「スリットバスケット」を使うものと、吊るすタイプの鉢を使うものの、2種類があります。

 作る手順としてはスリットバスケットの場合、まず底に土を入れてから、一番下の段の苗をスリットの上からゆっくり滑りこませていきます。根っこは鉢の中に、花がスリットから鉢の外に出ているというイメージです。苗と苗との隙間に軽く土を入れた後、二段目以降も一番上の段まで同じように植えていき、最後に土の表面に水苔を敷きます。鉢やスリットバスケットはホームセンターで売っているので、簡単に手に入れることができますよ。

━ハンギングバスケットの魅力はどんなところでしょうか?

 自分で考えて作り上げた鉢を、目の高さで楽しむことができることが一番の魅力だと思います。もちろん、普通の寄せ植えと比べると技術は必要になってきますが、高さのある所にお花があるとかっこいいですし、その場の空間を華やかにしてくれますね。

 また、玄関先やベランダなど、ハンギングバスケットは掛けるところがあれば基本的にはどこにでも飾ることができます。空中に飾るかたちになるので少ないスペースでも楽しむことができる点と、普通の寄せ植えよりも風通しがよく虫が付きにくいという点も魅力の一つです。

━楽しむうえでの管理のポイントを教えてください

 ハンギングバスケットは普通の寄せ植えより土が少なく、風通しもいいので、乾燥しやすいです。そのため、夏場なら1日2回程度、基本的には1日1回以上は水やりをするといいと思います。日当たりは良い方がいいですが、そこは植えたお花によって変わってきますね。置きたい場所によって、植える植物を変えるのがいいと思います。

━ハンギングバスケットにおすすめのお花はありますか

 夏ならペチュニアやベゴニア、冬ならパンジーやビオラ、葉ボタンなどが丈夫なので初心者の方にもおすすめです。あとは、ヘデラなどの少し長いツル系の植物を入れると形がかっこよくなります。
 ただ、お花を選ぶときに気を付けてほしい点は、水やりをたっぷりしたほうがいい植物と、乾き気味の方がいい植物を一緒に植えないようにするということ。植えてしまうと、どちらかは環境が悪くなってしまいます。植物の性質を合わせて植えてもらうことが大切です。

━きれいなハンギングバスケットを作るコツはありますか

 メインのお花をいっぱい入れるのではなく、メインに決めたお花を真ん中にして、周りに緑や控えめな色のものを入れ、同系色でまとめていくと、きれいに出来上がると思います。なので、最初は「メインのお花+サブのお花+ツタや葉の緑」という感じで作ってみるといいかもしれません。

 ただ、これは作る方それぞれの好みです。服でも華やかな色や柄が好きな人がいれば、地味な色のものが好きな人もいますよね。自分がぱっと見て「いいな」と思ったらそれがいいと思いますし、あまりこだわらずに楽しんでもらえたらと思います。

━読者の方にメッセージをお願いします

 ハンギングバスケットに限らず、まずは何でもいいので身近なところからお花に触れてもらって、育てる、飾る楽しさを知ってもらえたらと思います。その後に、ハンギングバスケットにまで挑戦してみようと思っていただければ嬉しいです。

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