ぎふ花と緑

セントラルローズ

ミニバラ (ポットローズ)/大西裕さん

小さな花と交わす心のメッセージ「ミニバラ」

① 花は人と人とをつなぐ種

 花はときに、誰かに気持ちを伝える手紙のような役割をしてくれます。ギフトでは感謝の気持ちを、お見舞いのときは快復を祈る気持ちを、お悔みのときは慰めの気持ちを。
 「でも、それだけじゃありませんよ」と、本巣市でミニバラを育てる大西裕さんは言います。
 「家に花があると、毎日の花の変化が、家族の会話の種になります。『あ、また花が咲いてきたよ』とか、子どもと『一緒にお水やろうね』とかね。花からコミュニケーションが生まれる。それが花の役目なのかなと思うし、そういう暮らしを体感していただきたいですね」。

 大西さんが経営するのは、本巣市のセントラルローズ。直径3~5センチ、草丈20~25センチほどの小ぶりなバラ「ミニバラ」を栽培しています。約2万平方メートルの面積で、年間の出荷数は約180万鉢。国内シェアトップを誇ります。
 北海道から沖縄まで、あらゆる地域の特性やお店の要望、流行などに合わせられるよう、形や色の濃淡が異なる約30品種を育てています。

② 育てるコツは毎日見ること、寄り添うこと

 小さめの鉢で栽培できるミニバラは、家で育てるのにもぴったり。
 「大切に世話をすれば、春と秋に、何度も花を付けて楽しませてくれます。プレゼントでもらったら、そのときだけで終わらせるのではなく、ぜひ育ててみてほしいですね」。

 家へ持ち帰ったら、まずラッピングを外し、プラスチック性のポットや装飾用のバスケットに入っている場合は、鉢に植え替えましょう。
 置き場所は日当たりや風通しが良く、雨が直接当たらないところがベスト。明るい窓辺でもいいですが、ガラス1枚あるかないかで、光の質がずいぶん変わってくるそう。
 「バラ園とかがあるくらいですから。家の中に飾りたくなりますが、たっぷり日光を浴びせてあげてください。ただし、日差しが強すぎる真夏の直射日光は避けたほうがいいですね」。

 水はやりすぎないことがコツ。天気も家の環境も日々変化しているので、一概に「何日に1回」というのは決められないとのこと。1つの判断基準は、鉢の下の地面が湿っているかどうか。湿っていたら、まだ水やりの必要はありません。

 「とにかく上手に育てようと思ったら、毎日見ること。それだけです。葉っぱの変化だったり、土の変化だったり。『今日はどうかな、水は大丈夫かな』って、朝仕事行く前にほんの数分、花に寄り添う。その時間を、楽しんでほしいです」。

③ また芽が出るまで 花との対話を楽しんで

 開花のない間は、きれいに咲いた花を見るのが楽しみな方にとっては少しふんばりどき。でも、「植物は手をかけたらかけた分、ちゃんと返ってくる」と大西さん。
「3カ月頑張ったら1年頑張れる。1年頑張ったらずっと頑張れる。だって楽しいもん。また咲いてくれるから」。

 葉と茎だけの時期も、なんだか調子の悪そうな時期も、世話を続けたその先に、花からの応えが返ってきます。新しい芽が付いたり、つぼみがふくらんできれいな花を咲かせたり。
 リアクションがないのも、花たちにとってはアクションの1つです。

 ミニバラは、私たちが普段「木」と呼ぶ木本植物に分類される植物で、上手に管理すれば10年でも生き続けるそう。
 「初めて育てる人なら、2~3年続けられたら十分すごいこと。だから、まずは3カ月頑張ることじゃないですか。そうしたら、きっと楽しくなりますよ」。

セントラルローズ
https://www.centralrose.co.jp/
本巣市七五三一の坪772-4
TEL. 058-324-7203

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