ぎふ花と緑

フラワーデザイン

公益社団法人日本フラワーデザイナー協会
取材協力:フラワーショップあや

 草木の魅力をさらに引き出し、生活や空間に華やかさや彩りを与える「フラワーデザイン」。そんなフラワーデザインの楽しみ方や魅力について、公益社団法人日本フラワーデザイナー協会名誉本部講師で、大垣市にある「フラワーショップあや」のメインデザイナー柿本亜矢さんに、お話を伺いました。

フラワーデザインの魅力は?

 花束やフラワーアレンジメント、結婚式からインテリアの飾りまで。色や形の異なるお花を組み合わせ、それぞれの場面に合ったデザインに仕上げていけるのが、フラワーデザインの魅力だと思います。
 生花以外にも、「ドライフラワー」や「プリザーブドフラワー」を使うこともあります。生花を忠実に再現した高級な造花「アーティフィシャルフラワー」や、ソラという木の皮でつくられた「ソラフラワー」といったお花もあり、それぞれ違った雰囲気を楽しめますよ。

生け花とはどう違うのでしょうか?

 いくつか違いがありますが、よく表されるのは、生け花は「引き算の美学」で、フラワーデザインは「足し算の美学」ということ。生け花は余計なものを省き、洗練された空間に美しさを見出すのに対して、フラワーデザインはより華やかにするために、ふんだんに花を使うことが多いです。
 また、生け花と違う点として、器に活けるデザイン以外に手で束ねる「花束」、結婚式などに使う「ブーケ」、身に着ける花飾り「コサージュ」などのカテゴリーがあるのもフラワーデザインの特徴です。

やってみたいけれど、うまくできるか心配です。

 お花は1輪で既にできあがっているもの。絵や彫刻のような、ゼロから生み出す難しさはありません。いきなり立派な作品を作るのは難しいですが、おうちに飾るものくらいであれば、気軽に始めることができますよ。
 フラワーデザインを服で例えてみれば、「ファッションデザイナー」というより「スタイリスト」。自分の好きな雰囲気をイメージして、お洋服を選ぶようにお花を手に取り、色合わせをしてみてください。
 お花にはどんなものにも葉や茎の緑色が入っていますよね。それが全体を自然とうまくつなげてくれるから、色の組み合わせがちょっと苦手な人でも大丈夫ですよ。

何から始めれば良いのでしょうか?

 まずは花屋さんに行って、好きなイメージを伝えてみるだけでも良いのでは。「かわいい感じ」「大人な雰囲気」など、ざっくりで構いません。最近はメイクやネイルでよく聞く「くすみカラー」や「ニュアンスカラー」のお花も人気です。
 どこに飾りたいか、おうちにある花瓶はどのくらいの大きさか。予算はどのくらいか。花屋さんにたくさん相談して、自分の「好き」を見つけてくださいね。

 私の勤める花屋では、1回完結型のワークショップが人気です。「初夏の寄せ植え」や「クリスマスリース」など、季節ごとに決まった内容を事前にお知らせしていて、作りたいものだけ体験できます。
 もう一歩進みたい方に向けては、定期的に通うレッスンをおすすめしています。日本フラワーデザイナー協会の資格を取ることも可能です。大切な人への贈り物を自分で作るのも夢ではありませんよ。

読者の方にメッセージをお願いします。

 お花は人生のどんな場面にも寄り添います。誕生日や入学などの節目のお祝い、プロポーズ、日々の暮らし、お葬式まで…。この前は、今から婚姻届を出しに行くという方が「あとから押し花にして記念に残せる花束を持っていきたい」とお店にいらして。押し花にしたときにもしっかり映えるような花束に仕上げました。
 花屋さんは、一番身近でお手頃に「オーダーメイド」のものが手に入れられる場所だと思っています。何でも相談しに来てくださいね。

 もっと気軽にお花を楽しんでもらいたくて、私たちの花屋では3年前に、毎日新しいお花を受け取れる来店型の“お花のサブスク”というのを始めました。きれいなお花に癒やされること。しおれ、枯れていくこと。知らないお花に出合うこと。新たな発見や癒やしを与えてくれるお花をそばに置き、心豊かな毎日を過ごしていただきたいと思います。

フラワーデザインについてもっと知りたい!
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会http://www.nfd.or.jp/


今回取材したお店
フラワーショップあやhttps://www.flowershop-aya.com/
岐阜県大垣市加賀野3丁目55-3 TEL. 0584-74-8783

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