ぎふ花と緑

株式会社 錦園芸

株式会社 錦園芸
小林 和平さん

花壇や鉢植えで楽しみたい花壇用苗。

①花の行く先を想像しながら 理想の姿へ日々勉強

 錦園芸は、各務原市で花壇用苗を栽培しています。
 連棟も含め立派な温室ハウスが5棟、総栽培面積は約45アール。
 花壇用苗や野菜苗を栽培しています。

 取材に訪れたのは秋口。ハウスに足を踏み入れると、ジニアやアガスターシェ、日日草、ペンタス、ビデンスなど、色とりどりの花壇用苗が一面に広がっていました。この時期は10種類近くの品種を育てているそうです。
 どこも細かい部分まで、丁寧に手入れされているのがわかります。

 錦園芸の2代目となる小林和平さん。幼いころから両親が懸命に働く姿を見ており、「やりがいのある仕事なんだ」と感じて、花き栽培を継いだそう。

 花を手に取る人が、どんなふうに飾るのか。
 どんな形なら使いやすく、きれいに見えるのか。
 花壇に植えるのか、寄せ植えに使うのかでは、求められる形が微妙に違うもの。
 常に花が届く先のことをイメージしながら、栽培に向き合います。
 「自然相手だからこそ、栽培は1年に1回しか経験できないことばかり。どれだけやっても初心者だなと思います。ずっと勉強中ですね」。
 苦労が多い分、達成したときのよろこびもひとしおです。
「理想の色合いや草姿に仕上がると、『よっしゃ!』って」。

②ポットという小さな世界で育てるには、いい土が不可欠

 錦園芸は、農業大学校を卒業した和平さんの父、錦司さんが昭和59年に立ち上げました。
 錦園芸の花壇用苗は、草姿の良さに加え、ポットの中に土が詰まってしっかりと根が張り、水枯れも少ないことが特徴。
売店や一般消費者に届くまで、良い状態が保たれます。
 市場評価も高く、「錦さんのところからしか買わない」というお客さんもいるのだとか。

 すべての作業工程を大切に、こだわりを持っていることはもちろんですが、中でも1つのポイントは、錦司さん自らブレンドした土で苗を育てていることです。
 「本来、花は大地に生えるもの。ポットという小さな世界の中でしっかり根を張らせるためには、土の力が必要になる」と錦司さん。
 トライアンドエラーを繰り返し、ベストな配合を今も模索し続けています。

③気軽にたださわってみて、楽しかったら続けてほしい。

 近年、資材高騰に歯止めがかからず、生産者たちは苦しい状況に置かれています。
 和平さんはそんな中でも、錦司さんが積み重ねた土へのこだわりや丁寧な栽培を、できる限り守っていきたいと考えています。

 「コロナ禍のおうち時間でガーデニング人気が上がり、久々に少し上向き傾向に。これをきっかけに、多くの人が花を身近に置いていただけたらと思っています。
 園芸のノウハウについて詳しく書かれた本だったり、ネットサイトなどがありますが、それを見て難しいものだと思わないでほしいです。
 固く考えず、たださわってみて、楽しかったら続ければいい。小学校の花壇や授業で、草花を触っていたときを思い出してみてください。そのくらいの感覚で、花を楽しんでもらえたらうれしいです」。

株式会社 錦園芸
各務原市蘇原坂井町1-176

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