- スパティフィラム
- 高木兼雄さん
きらめく深緑と純白「スパティフィラム」
50歳を前に生産開始、この道30年
つやつやとした深緑の葉が美しいスパティフィラム。1枚の大きな花びらに見えるのは、「仏炎苞」と呼ばれる部分。深緑と純白のコントラストが見事な室内向けの植物です。

この花を生産するのは、高木ガーデン(岐阜市)の高木兼雄さん。1987年に岐阜花き流通センターが集出荷を開始したことで、岐阜県産の花きが全国各地の市場へ出荷できる体制が整い、県内の生産が盛り上がっていました。流通センターは車で10分もかからない場所にあり、高木さんは「これを活かさない手はない」と、50歳を前に本格的に生産をスタートしました。

以来30年間、栽培にまっすぐに向き合ってきた高木さんが手がけるスパティフィラムは、全国の市場から高い評価を得ています。「頻繁に注文が来ると、やっと信頼されたな、と感じられてうれしい」と、生産者としてのやりがいを語ります。
長く楽しめるよう丈夫に育てる
スパティフィラムの原産国はコロンビア。温かく湿った暗いジャングル生まれの植物で、強い日差しを好みません。高木ガーデンでは遮光用のカーテンを取り付けたり、適切な温度を保ったりとさまざまな工夫を施し、常に栽培に適した環境を整えることで、しっかりと丈夫な株に成長させます。このおかげで1年中の開花と出荷が可能になり、一般家庭に届いてからも、長く楽しむことができるといいます。

農場は2カ所に分かれており、岐阜市寺田にある大きなハウスは息子の慎一さんが主体となって運営。慎一さんのハウスでは6号鉢を、兼雄さんは本社となる岐阜市一日市場のハウスで、3.5号鉢や4号鉢など、小さめのサイズを栽培しています。

豊かな緑の葉に注目
家庭で育てる際には、直射日光が当たらない、温かい場所に置きましょう。水は底面給水で、受け皿の水が減ってきたら足すようにします。
日本の冬の寒さには耐えられないため、温度は最低でも5度以上が必要。次の年にまた花を咲かせるためには冬の間も丁寧に管理して、強い株に育てることが大切だといいます。

一般的な開花時期は6月から7月ですが、「スパティフィラムは花が終わっても緑がとっても豊かな植物」と兼雄さん。慎一さんも「花より葉を見てほしい」と続けるほど、きれいな緑色の大きな葉は、室内でよく映え、存在感を示してくれます。
さらにスパティフィラムは“天然の空気清浄機”と言えるほど、空気浄化の効果が高いとのこと。頼もしく可憐なスパティフィラムを、暮らしに取り入れてみませんか。

高木ガーデン
岐阜市一日市場1-191
TEL 058-231-5436
https://www.ccn.aitai.ne.jp/~takagi-g/