- バラ
- 若松定雄さん
地域で育んだ華やかな彩り「バラ」
①バラが咲き誇る神戸町
岐阜県の西濃地域にある安八郡神戸町は、県内トップクラスのバラの産地。バラが町の花に指定されており、町内には3300株ものバラが咲き誇る「ばら公園いこいの広場」もあります。
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木曽三川の1つ、清流・揖斐川に育まれた肥沃(ひよく)な土壌と豊富な水、日照時間の長さから、神戸町では古くから、野菜をはじめ数多くの農産物が作られていました。
こうした環境を生かして1977年、町内に「バラ温室団地」が完成。本格的にバラ生産が始まりました。
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「「若松ばら園」の若松定雄さんは、神戸町で40年以上バラを育て、現在は年間25万本ほどを出荷しています。
「先輩方が始めたのにならい、私も翌年78年に苗を植えた。みんながバラ栽培に精を出していたね」と当時を振り返ります。
②花を思ってきめ細やかに世話をする
全盛期の90年代には、町全体の出荷量は年間500万本超。2010年には、バラを市町村の花に制定している自治体が集まる「ばらサミット」が町内で開催され、同年に「ばら公園いこいの広場」(同町前田)が開園。神戸町はまさに“バラの町”に成長しました。
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しかし、花の女王ともいわれるバラ。栽培はそう簡単ではありません。きめ細やかに温度を管理したり、肥料を工夫しても、虫がついたり、病気になったりします。1輪のきれいな花を咲かせるまでには、技術も人手も必要なのです。
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だからこそ、若松さんがバラ栽培でもっとも大切にしているのは、「バラにとって過ごしやすいような環境に、いつも合わせてあげること」。
若松さんがバラ栽培を始めたころとは、夏の暑さがまるで変わってしまいましたが、暑い夜には温室内の空調をきかせるなど、さまざまな工夫を凝らしています。
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③今日も誰かのひとときを彩る
昔から結婚式や贈り物、テーブルコーディネートなどで必需品だったバラ。時代が進むにつれ、それらの需要は減ってきました。さらに近年の世界情勢による資材の高騰も、農家を苦しめる要因の一つになっています。
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それでも、若松さんが「バラをもらって悪い気になる人はそういない」と話すように、花の中でも一段と華やかで、特別な印象を与えてくれるバラ。苦労は多くても、その分やりがいも感じています。
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若松さんのように、バラ生産が本格化した当時に始め、今も現役の農家はそう多くはありません。高い栽培技術と人柄も相まって、町内外の農業関係者から頼りにされる若松さん。多くの人が関わり、高め合い、大切に育んできた神戸町のバラは、今もこれからも、どこかの誰かの大切なひとときを、やさしく、華やかに彩ります。
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若松ばら園
安八郡神戸町柳瀬
TEL. 0584-27-7119