ぎふ花と緑

寄せ植え華道

寄せ植え華道協会

【寄せ植え華道】岐阜から紡ぐ花文化

 岐阜県発祥の花文化のひとつ「寄せ植え華道」。寄せ植えの技術に、和の文化と洋の文化が融合した植栽装飾です。今回はそんな寄せ植え華道の魅力や楽しみ方について、寄せ植え華道協会長の小林久美子さんにお話を伺いました。

寄せ植え華道について詳しく教えてください。

 寄せ植え華道は、寄せ植えの技術に、生け花や盆栽といった日本古来の「和」の文化と、ハンギングバスケットやフラワーアレンジメントなどの「欧米」の文化を融合させた、空間を彩る花飾りになります。基本的には鉢に寄せ植えをしたものになりますが、ミニガーデンやお庭へと発展した形のものもあります。

 そんな寄せ植え華道では、作品を作るまでの過程をすごく大切にします。というのも、植物の植生を知ったうえで飾るべきところに飾らないと、お花は活かしきれません。そこで、寄せ植え華道協会では、教室や交流会を通して植物の基礎知識をしっかりと学んでいきます。また、育てる過程の中で植物と長期的に相対していくことで、自身が精神的に成長することも目指します。決して花を飾るというだけではないんです。

寄せ植え華道を学ぶにはどうしたらいいでしょうか。

 寄せ植え華道協会では、植物や花に関する知識や技術を学ぶ講座を開催しています。資格認定制度もあるので、初級講座から徐々にスキルアップしていき、最終的には寄せ植え華道の認定講師を目指すこともできます。「寄せ植え華道をやりたい!」という方は、まずは初級講座にチャレンジしていただけたらと思います。

 そんな初級講座は、ご自宅や近くの公民館などに講師を派遣させていただく「出前講座」という形で行っています。時間帯など、それぞれのライフスタイルに合わせたご対応が可能なので、お気軽に協会までご連絡ください。土の入れ方や苗の植え込み方、お花の色の組み合わせについてなど、分野ごとに分けて、座学と実技で基礎から丁寧に指導していきますよ。

寄せ植え華道の魅力はどんなところでしょうか。

 お互いの知識を共有しながら一つの目標に向かって取り組んでいくなど、植物を通して人と人との交流が生まれることが、寄せ植え華道の魅力の一つだと感じています。この交流の中で植物のことはもちろんのこと、それぞれの地域の文化についてなど様々なことが学べ、植物に関することだけではない「仲間づくり」を行うことができています。

おすすめの飾り方や楽しみ方はありますか。

 基本的には屋内外問わず、一年を通して楽しんでいただけたらと思います。春は多花性のお花やチューリップなどの季節感のあるお花を使って華やかに。夏なら観葉植物やアンゲロニアなどの耐暑性の高いお花を上手く利用して。冬でもシルバーリーフなどの耐寒性のある植物を活かすなど、それぞれの季節に応じた植物が必ずあります。その植物をいかに上手く組み合わせていくかが、寄せ植え華道を楽しんでいく上でのポイントになります。

 また、寄せ植え華道は特に、子育て中のお母さんに楽しんでいただけたらと思います。植物を大切にする親の背中から子どもはきっと、命の大切さを学んでくれます。「三つ子の魂百まで」といいますが、まさにこれが「花育」だと思っています。

作る際のコツなどはありますか。

 植える苗の数は偶数よりも3、5、7といった奇数の方が、まとまりがあってきれいに見えます。また、鉢のデザインも大切。植えた植物が和風のもので、鉢は洋風のものだと、着物にハイヒールを履くようなものです。植物と鉢のトータルコーディネートが大事になってきます。

初心者の方におすすめのお花や植物はありますか。

 ガーデニングや花飾りは秋から始めるのが基本的にはおすすめです。耐寒性も高く、秋ごろから多く市販されるパンジーやビオラなどがいいかもしれません。かわいく植え込んだ上で、リーフプランツなどと組み合わせたりすれば、長く楽しむことができます。鉢もちょっとおしゃれなものを自分で選んでみると楽しいと思います。

読者の方にメッセージをお願いします。

 植物を生活の中に取り入れることで、もっと身近に植物やお花を感じてもらえたらと思います。そして、このきっかけになるのがきっと寄せ植え華道です。ぜひ皆さまにも楽しんでいただけたらと思います。

寄せ植え華道協会
可児市瀬田1584-1 ぎふワールドローズガーデン内
TEL. 070-4490-2072

FOLLOW US