- 高田園芸
- 髙田和裕さん
日常の一場面を彩る切り花「アルストロメリア」
➀多様なアルストロメリアを全国へ
花持ちがよく、切り花として冠婚葬祭からフラワーアレンジメントまで幅広い用途に使用されるユリ科の花、アルストロメリア。安八郡神戸町の高田園芸では、6棟の温室延べ約30アールでアルストロメリアを栽培。生花市場を通して県内だけでなく関東から関西まで、全国へ向けて出荷しています。

「手をかければ手をかけるだけいいものが取れるのが花き栽培の魅力ですね」。
そう話すのは髙田和裕さん。父が始めた高田園芸を継ぎ、アルストロメリアなどの栽培に取り組みます。



カラーバリエーションが豊富な点もアルストロメリアの特徴であり魅力の一つ。高田園芸ではピンクや白、黄色や赤など様々な色の品種に加え、花びらに斑点が付いていない「スポットレス」や花のサイズが小さい小輪タイプなど、多種多様な約20品種を栽培。4年に1回ほどのスパンで4~5品種を入れ替え、土に合うか合わないか、市場性がいいかどうかなど試行錯誤しながら栽培に取り組んでいるそう。
「品質や収量など、毎年毎年成長していけたらと思っています。去年このやり方がよかったから今年もいいかといったら、絶対にそんなことはないので。本当に終わりがないです」。
➁室温から地温まで こだわりの環境づくり

アルストロメリアは南米原産。日射量が多く適度に涼しい環境が適しているといい、髙田さんはそんなアルストロメリアが生育しやすい環境づくりにこだわっています。温室内はミストを噴霧させる「細霧冷房」や暖房などで、夏も冬も温度が25度になるように維持。冷水や温水を循環させる地中冷房・暖房や、さとうきびの搾りかすを使用した土壌改良剤を土の表面に敷くことで生育の一つのポイントとなってくるという「地温」の管理も行います。

こうして環境を整えることで花にストレスがかからず、色つやなど花の色にも表れてくると髙田さんはいいます。
「花屋さんが市場で花を選ぶときに分かるんですよね、ここのは良いとか悪いとか。僕らは自分の作ったものだけですけど、やはりプロの方は色々な産地のものに触れますし、比べることができるので。その辺はやはりシビアな世界ですし、身が引き締まります」。
➂きれいな花はまさに「心の成長剤」
「卒業式や人事異動など、求められている時期に高品質なものをしっかりと用意することができたか。要は市場や生花店、お客さんの期待に応えられる生産者でいられたかどうか。そこに限りますね」。


そう語る髙田さんのアルストロメリアに対するこだわりは、生育環境だけではありません。
『お花屋さんのために水が入っています』
出荷の箱には「横積み厳禁」の文字と共にそんな一文が。高田園芸では花を横に寝かせる形で入れる横箱ではなく、立てて入れる形の縦箱を使用。箱に刻まれた一文の通り、中には水の入ったビニール袋が入っています。コストも手間もかかりますが、鮮度の高い状態で市場や生花店に届けることが可能だといいます。また、店頭に並ぶころに満開の状態になるよう、つぼみの状態で出荷します。
「最近はどこか暗いニュースが多いですけど、きれいな花を見て心を和ませていただけたらと思います。心の成長剤ですね」と髙田さん。
環境づくりや出荷方法など、こだわりと愛情が詰まったアルストロメリア。食卓やリビング、玄関など、色鮮やかに日常の一場面を彩ります。